ある日の東京ウエスト動物病院 Blog
糖尿病性白内障 2 - 2008年10月01日
ご訪問いただきありがとうございます。
早いもので今日から10月です。
先々月の08(H20)年8月8日に、糖尿病性白内障の記事をアップ致しました。
今回は同じ種類の病気(糖尿病)なんですが、同じように高齢の、この子の場合は血糖値のコントロールがうまくいっているというケースです。
糖尿病性白内障: 左右の目が同じ程度に白くなっています。
お引っ越しの事情で転院してきたこの子は、当初、インシュリンを投与していても血糖値のコントロールがなかなかうまくいかなかったようで、350〜500mg/dl台というとても高い値のままのようでした。
こちらで、その背景を調べてみますと、副腎の病気でクッシング症候群(Cushing syndrome)別名、副腎皮質機能亢進症という、いわば、内分泌を司るホルモンの状態が働きすぎのような病気も併せ持っていることがわかりました。
これを是正しないと血糖値のコントロールはうまくいきません。
そこで、このクッシング症候群を治療していったところ、血糖値のコントロールはうまくいくようになり、100mg/dl前後の理想的な血糖値に維持できるようになりました。
やれやれと思っていたら、今度は子宮蓄膿症という病気が見つかり、緊急手術。
術中・術後の血糖値は当然不安定なものになりますが、そのコントロールのほか、全身病態の是正などを行い、これもまた、この子は何とか乗り越え頑張ってくれました。
14齢になったばかりの高齢にもかかわらず、頑張っているなぁと思います。
抱えている病気には、
・糖尿病
・白内障
・クッシング症候群
・乳腺腫瘍
などがあります。
元々この子はとても気の強いところがあるんですが、それが生きようといういい方向に向いているように思います。やはり、気力というのは大事です。