ある日の東京ウエスト動物病院 Blog
エリザベスカラー - 2008年06月22日
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これをペットの首につけて歩いていると、時々、『何ですか、それは?』とか『何のために付けているんですか?』とか聞かれます。みなさまもご経験あるのでは?
ペットを飼っている方、好きな方なら大方の人はご存じと思います。ペットに馴染みのない方は不思議に思われるのでしょうね。
正式名称はエリザベスカラー(英語:Elizabethan collar)、エリザベスは『エリザベス朝』に、カラーは『襟』に由来しています。つまり、形状や目的は随分違いますが、同じような部位に取り付けるということでのネーミングなんでしょう。16世紀英国のエリザベス朝時代の人々が装着した分厚い襟のこと、日本でいえば冬のマフラーみたいなもんでしょうか。
これは傷口をこすったり、かいたりすることから守ることを目的としたものです。
日常では、『あ〜、あのエリマキトカゲみたいなの〜?!』とか、詰めて『エリカラね!』とか、あるいは単に『カラー』とか呼ばれているようです。
当院では眼科を取り扱っている関係で、光を失ったり(Vision Loss)、ロービジョン(Low Vision)のケースで、特に、眼の病気の時や眼の手術のあとの保護に使うことが多いですね。
左は去勢手術した部位をなめないように、右はチェリーアイの目をかいたり、こすったりしないように保護するためのエリザベスカラーといった具合です。
欠点もありまして、見た目がよくない、食餌や飲水に困る、動くとアチコチに当たり、ガサガサとこすれる音に動物が怖がったり、ビックリしたり、落ち着きがなくなったり、また、飼主の方でもこのような様を見て、『かわいそうだよ!』と微妙な感じを持たれることもあります。このようなことでエリザベスカラーを付けたがらない飼主様やすぐに外してしまわれる方もいらっしゃいます。
でも、このような時、私たちはできるだけ説得するようにしています。
動物の側も一両日付けていれば慣れてきますし、何よりも傷を保護することが大事で、『かわいそうだ』と仰る飼主様にも『傷がひどくなる方がもっとかわいそうですよ』と説明し、ご納得いただくよう、ご協力を求めています。
ペットの大きさ(猫や超小型犬〜大型犬まで)に応じて様々なサイズがあります。また、下の写真のようにいろいろな形状のものがあり、左はスタンダードタイプ、右はミニチュアダックスなど鼻の長い子用のタイプになっています。こうやって見ると随分と形状が違いますね。
状況によってはエリザベスカラーの代わりに、下の写真のようにハンカチや帽子(プヨ君の帽子)を利用することもあります。
・ エリザベスカラーは何のために付けるんでしょうかねぇ? - 2010年03月06日
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コメント一覧
コメントいただきありがとうございます。
そうですね、爪切りでご使用ですか。
ペットにも、扱う人の側にも怪我などがないように安全を保てますので、いいツールだと思いますね。
最初のエリザベスカラーはどこで作られたんでしょうかねぇ・・・、
アメリカか? イギリスか? どなたかご存じなら是非情報を寄せていただきたいものですね。
こんなに重宝な道具を誰が発案なされたのか…
どなたかご存知であれば教えて頂けますか?
宜しくお願い致します。
コメントいただきありがとうございます。
そうですね、透明の方が使いやすいように感じます。観察しやすいですし、動物の方も視界が開けていいんじゃないでしょうか。
願わくば、耳元にあたるところに通気用の小さな穴がいくつか開いてるとさらにいいように思いますね。
『散歩に出るときに目立ち過ぎて躊躇する』というお気持ちはよくわかります。でも、保護用の器材ですので、そこのとこのバランスが大事です。躊躇する気持ちを我慢していただき、保護という目的を優先していただいた方がいいように思いますね。
水色のものしか観た事が無かったもので…。
水色のカラーだと散歩に出るときに目立ち過ぎて躊躇するので
外してしまいます。
透明のほうが目立たないし視界がひらけて良さそうですね。