ある日の東京ウエスト動物病院 Blog
犬や猫にタマネギ類は与えない方がいいでしょう! - 2008年03月04日
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『飼主のみなさま! 犬や猫にタマネギ類は与えない方がいいでしょう、
これは今や常識ですよ!』
この情報は我が国ではかなり浸透していると思われます。先日も、
『ちょっとした隙に、タマネギを食べてしまった。どうしたらいいのか?』
という問い合わせの電話がありましたので、ここでちょっとだけ
書いてみます。
すぐ診せた方がいいですか?
飼主の方は、『とにかく心配で、すぐ診せた方がいいですか?』と性急に訪ねてきます。
判断は難しいのですが、たくさん食べているようであれば、すぐに対処しなければいけないでしょうね。吐かせるなどの処置のほか、諸検査や治療が必要かもしれません。状況を診て判断することになります。
食べた量が少なければ、対症療法や経過観察でいい場合もあるでしょう。
でも、症状の重さに対する摂取量と体重の相関関係は明確になっていません。つまり、容量依存性とはいえないのです。
どんな症状が出るか?
どういった点に注意してればいいか?
食べたからといってすぐに症状が出るわけではありません。食べたあと、急性中毒になった場合には、1〜2日後に赤ワイン色のような尿が出て、さらに嘔吐・下痢などの消化器症状、元気がなくなる、心臓の鼓動が早くなる、目の結膜が白っぽくなる(貧血、ハインツ小体性溶血性貧血、黄疸)などの全身症状が出ることもあります(このような場合には入院治療が必要です。命に関わることもあります)。
繰り返しになりますが、すぐに症状が出るわけではないので、翌朝、赤〜赤黒い色のオシッコが出ないか、朝ご飯を食べる食欲があるか、ぐったりしていないか、吐いていないかなどを観察してもらいます。
食べ物
タマネギ、ネギ類、ニンニクのほか、その汁、煮汁、スープ類なども対象となります。原因物質は熱に安定ですので、加熱調理してもその有害作用は残ります。具体的には、お味噌汁、ハンバーグ、すきやき(その煮汁)、チャーハン、お蕎麦の薬味などなど、非常に多彩な料理の中に原因物質は入っています。
前述しましたように、発症するか否かや病状の重さなどについては、これくらい食べたから必ず発症するというわけではないところがややこしいところです。私見ですが、犬や猫のタマネギ類に対する感受性の違いやその時の体調もあるでしょうし、タマネギ類に含まれる原因物質の濃度も一様ではないでしょうし、産地や種類によっても左右されるような印象もありますし・・・。
最近、C国のペット用やヒト用のフード類、医薬品を含む様々な生産物や加工品類に中毒を引き起こす事件が連日報道され、世界を驚かせていますが、いずれにしても、『中毒を起こす危険性があるものは避けましょう』という考え方で接した方が無難と思われます。
すべての犬や猫がタマネギ中毒 Onion Poisoning になるわけではありませんが、ネギ類を与えることになってしまわないよう、くれぐれもご注意ください。
コメント一覧
今朝もまだフラフラしているので,診察を受けてみます。
教えて頂いて,本当にありがとうございました。
症状がまだ尾を引いてるようなら、診察を受けた方がいいでしょうね。
もう1週間ほど経っていますので、すっかり元気を取り戻したという感じなら様子をみてもいいかもしれませんが、症状がダラダラしてるようなら思い切って診察を受けて下さい。
受診される際は、血液検査、血液生化学検査、尿検査などをお勧めします。溶血が今も進行しているか否かを判断してもらうのがポイントです。
もし、貧血が進行しているようなら要注意です。
一週間前タマネギを使った魚料理を食べてしまい,その2日後に赤ワイン色のような尿が出て、さらに嘔吐・下痢の症状が一度だけあり,フラフラとしていました。その時は何が原因かわからなかったのですが,3日程前に気づきました。その時には,症状もだいぶよくなってきて,食欲は前よりかは増えているのですが,まだ時々フラフラと足がもつれような感じがあります。今からでも病院に連れていった方がいいのでしょうか?