ある日の東京ウエスト動物病院 Blog
トイプードルに見られたブドウ膜炎 Uveitis - 2013年01月04日
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今回は、ブドウ膜炎 Uveitis について簡単にご紹介します。
『昨夜から目が開かなくなった・・・』と来院されました。
トイプードルの3歳、♂(男の子)、4.75Kgの子です。
両目に充血も見られます。
この子は数ヶ月前に『シャンプー後の角膜潰瘍』で来院された
経歴もありました。
**62*01** KR YMST
診ると、前房(ぜんぼう)に濁り(前房フレア)が
見られます(矢印で挟まれたところ)。
この混濁(前房フレア)はブドウ膜炎の診断にとても重要な所見
です。目の中に痛みも出ますので、縮瞳(しゅくどう)
傾向も見られています。
眼圧はブドウ膜炎のためと思われますが、やや低い傾向でした。エリザベスカラーを付け目を保護しながら、治療を始めていくと、だんだんと症状が和らぎ改善に向かっていきました。
治療は、
1.目の中の炎症を取る
2.痛みを取る、痛みを軽減させる(緩和ケア)
3.目を保護する
が大事な3つの柱です。
治療後1週間目には左のように混濁(前房フレア)は
なくなり、すっきりした所見です(矢印で挟まれたところ)。
治療の経過から見て原因は特発性(とくはつせい) [特別な原因が見当たらないのに発病すること。原因ははっきりしなかったり、遺伝的なものであったり、体質的なものとして説明されることが多い。] ではないかと推察されました。
このような子は先々、白内障 にもなりやすいし、悪い場合は 緑内障 を引き起こすリスクもあります。
飼主様には目の検査や目薬での予防をやっていかれることをお勧めしています。