2009年08月
コジュリン(小寿林) - 2009年08月31日
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ここは割とカンカン照りの夏空。とはいえ、今年は雲の多いムッとした湿気のある感の夏でしたね。
葦原に、頭が真っ黒なコジュリンを撮りに行ってきました。コジュリンを『町の鳥』としている千葉県の大きな川沿いの町で、コジュリンの名を冠した公園です。
よく見るとホオジロに似た雰囲気を十分に持っていました。
やさしい声で鳴いてましたね。私には、囀りはピッチャーチョコチュと聞こえます。
何で頭が真っ黒なんでしょうかね? 黒頭巾を被ってるみたいです。頭巾をとると、素顔が・・・なんて!
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コジュリンの小話:スズメ目、スズメ亜目、ホオジロ科、ホオジロ属、コジュリン種
『じゅりん』の語源は、鳴き声に由来すると言われています。
カモメ(神奈川)、ヒバリ(茨城)、ユリカモメ(東京)、ホオジロ(千葉)など、鳥がシンボルになる所は多いんですが、コジュリンはいいですね、この地ならではなんでしょうね。
白内障をそのままにしておくリスクとは・・・ - 2009年08月26日
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白内障は、その対策として、点眼による予防と手術による視力改善策があります。
・進行は止められないんだからと治療を最初からあきらめていたり、
・どうせ進むんならやっても意味はないよ、
と予防・治療を行わない飼主様もいらっしゃいます。でもそれは誤りです。
では、どのような点でメリットがあるのかについて、実際の症例に触れながら説明したいと思います。
症例は、15歳のビーグル、♀の子です。
両目とも白内障で見た目にも白く見えます。
いつ頃からの白さかは定かではありませんが、長年、この進行性白内障の状態が続いていたんでしょう。その中で、今回、右目の激しい痛み、赤目などを訴えて、紹介されてきました。
診ると、
・白くなった水晶体が前側にはずれ(水晶体前方脱臼)、
・眼圧は上がり(80mmHg、通常は15〜20mmHgです)、
・ひどい痛み(目を開けきれず、ショボショボ) が出ています。
白内障以外に様々な悪い状態を持つに到ったのです。このようなことは、突然発症することが多いですね。
下の写真は初診時の所見ですが、両目ともに白内障はみられます。右目は白い水晶体が定位置からはずれて前に出てきていますので、左目に較べて、白いエリアが広く見られます。
この子は、白内障が元でこのような経過を辿ることになってしまったわけですが、予防としての点眼療法をやっていれば、このような事態は避けられたのではないでしょうか。
白内障が出始めると、ブドウ膜炎という眼内炎も出てきます。これが悪循環になり、ますます悪化・進行していきます。このような流れの中から緑内障などを引っ張ってくることもあり、悪循環を抑える、あるいは絶つことは大事な治療の一つとなります。
白内障の進行を抑えることは基本的なことなんですが、ストップさせたり、元の状態に戻すことはなかなかできません。だからといって、予防しないでおくと、白内障は本来のスピードで進行してしまいますし、ブドウ膜炎、緑内障などに発展することもあります。つまり、今回お示ししたような事例(水晶体がはずれる、激しい痛み、赤目、目が大きく硬くなるなど)になる可能性があるわけです。
ブドウ膜炎などがひどくならないようにすること、緑内障など他の病気を引っ張って来ないようにすることも大事な予防の柱なんです。また、白内障手術になった場合、その成功率を高く維持できるメリットもあります。
このような中に、予防の大事な意味が潜んでいるのです。白内障の早期発見、早期予防はとても大切なものです。
野生の鹿 - 2009年08月16日
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初めての高原の山頂、ケーンとかキーンとかカーンとか、けたたましい声が・・・。だんだんと近づいてきます。
最初はキジかと思っていたんですが、ご覧のような野生の鹿でした。子供らしき小さめの子を含む3頭でした。こちらに警戒心を持っているようで、ジッと見つめていました。お腹が空いていたのかもしれません。
熊でなくてよかったです・・・。
シャンプー後の目の障害(角膜潰瘍、Corneal Ulcer) - 2009年08月11日
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シャンプー後の目の障害、今回またまた、そのような症例に遭遇しましたので、再びご紹介して、飼主様への注意を喚起してまいりたいと考えます。
トイプードルのアンド○○ちゃん、1歳と若い子です。
今朝から両目が赤く、メヤニが出るということでした。昨日の夕方、シャンプーをしたとのことでしたので、そのことが発症要因ではないかと思われます。
でも、シャンプーした後でもこのようなことにならない子もいますので、シャンプーだけが発症要因とは考えられません。別の要因もあると思います。そのような点にも触れていきますので、どうぞおつき合いください。
下の写真で、緑色っぽく色がついているエリアは傷になっていることを示します。
健康な目の表面(角膜)では、このような検査を行っても色が付くことはありません。なぜなら、検査用の色素は洗い流されてしまうからです。
傷があるとそこに色が残り、傷の広さや深さを正確に知ることができます。
このようなシャンプー後の角膜障害は割と頻繁に診察する機会がありますので、要注意と思います。『たかがシャンプー、されどシャンプー』といったところでしょうか。
この障害の発生には、2面性があって、
シャンプーをする側の要因として
1.シャンプーの泡やお湯などが目に入る、
2.手や器材が直接、目に触れる、当たる、
3.乾かす時のドライヤーの温風が目に当たる、など
ペット側の要因として
4.目に疾患(軽いドライアイ、結膜炎、角膜炎など)がある(これらには飼主様が気づいておられない場合があります)、
といった点が挙げられます。
以前のブログ記事 シャンプーに関連した角膜潰瘍の事例 - 予防のヒント - 2008年06月30日 に具体的な予防などについて記載しています。
その他の記事の中にも具体的事例を挙げ、注意点などについて触れていますので、どうぞご参照ください。
・目が痛いよ〜、またまた、シャンプー後の目の障害 - 2008年12月05日
・シャンプー時に気をつけていただきたい、2点! - 2008年04月28日
また、高齢の子の場合には、心不全(僧帽弁閉鎖不全など)のためにシャンプー中や後に気を失ったり、息を引き取ってしまうこともあります。十分にご注意ください。
暑中お見舞い申し上げます。 - 2009年08月06日
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夏だというのに、雨が降りジメジメと蒸し暑さが増します。まだ梅雨は明けてないのとちゃうの、気象庁さんと言いたい気分です。昨日も中途半端な天気でした。スカッとした晴天は望めそうもありません。
日本の南海上には台風が発生した模様です。
地球温暖化のせい? この夏の天気は読みにくいです。
日射しの強い日、光り輝く多摩川でのダイサギ、真ん中はアオサギです。
撮る方は汗だくですが、川面を伝わる風は少し涼しいです。
皆様お体ご自愛を。
飼主様のための獣医学 - 高眼圧症治療薬、最新のトピックス - 2009年08月04日
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ペットにも高眼圧症はあります。
多くの場合は急性や慢性緑内障の症状のひとつとしてみられます。人では、緑内障とは区別される『高眼圧症』があり、現在では、『高眼圧症=緑内障、ではない』という考え方が一般的です。
点眼薬については、ちょっと専門的な表記になりますが、現在の標準点眼治療薬はプロスタグランジン関連薬(キサラタンなど)、β遮断薬(チモプトールなど)、炭酸脱水酵素阻害剤(トルソプトなど)の組み合わせとなっています。複数の薬剤の選択ができるようになっています。
(特定の医薬品を紹介するのは気が引けますので、商品名のところはぼかしてあります)
最新のトピックスとしては、β遮断薬と炭酸脱水酵素阻害剤の合剤が出たり、より低濃度で眼圧降下作用が得られるような薬剤が出てきて、その子の目の状況や効果の有無に合わせて、より多くの点眼薬の中から選択できるようになってきたことでしょう。
PS: 私の臨床経験の中では、実は緑内障なのに結膜炎と誤診されているケースがあります。それは一見症状が似ているからですが、獣医師の未熟さによるところも否めません。結果、手遅れになり光を失ってしまったケースもあります。臨床技術の高い獣医師ならそこのところを見逃すことはありません。
ウグイス - 2009年08月01日
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日本三鳴鳥といわれるウグイス、ホーホケキョと何度もきれいな感高い声が聞こえます。
梢の中にいることが多く、その姿をじっくりと見れることは少ないですね。このように抜けた背景で撮れるチャンスは多くはありません。
ノビタキやホオアカさんを撮っていたら、そばで鳴いていたウグイスさんが突然梢の上に飛び出して囀りだした時のもので、チャンスと撮りまくりました。
その後すぐに、また梢の中に潜り込みその姿を隠してしまいました。
去年のウグイスは、別の1700m級の山で撮ったものです。