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猫の角膜分離症 Feline Corneal Sequestration[1] - 2019年04月01日

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毎年診る『 猫の角膜分離症 - Corneal Sequestration 』は、世界的には短頭種の猫に多く、また、わが国の日本猫にも多く見られます。この病気は角膜の代謝性疾患で、多糖体や鉄の貯留(代謝異常)が進む疾患です(JSAVA. No.32(2). 3-10, 1992J.Vet.Med.Sci. 55(6):1051-1052,1993)。

進行し慢性経過に至った場合は、黒くなった角膜病変部(ミイラ変性部)がたまたま取れて治癒に向かうこともあります。でも、そうなることは稀なことです。この黒くなった異物(角膜のミイラ変性部)は正常な角膜組織とのつながりは強く、なかなか取れにくいものです。基本的には外科的な切除が必要な病気です。
先月遭遇した子(エキゾチックロングヘア、2齢、♂去勢、5.45Kg)の治療事例について簡単にご紹介します。

左目の角膜分離症 1年以上の経過 真っ黒の部分がミイラ変性した病変部
 初診時の左目の所見
 飼主は1年以上前からこの異常に気づいていたとのことでした。
 動物病院で抗炎症剤や抗生剤などの目薬を処方され経過観察のよ
 うでしたが、だんだんと進行していったようです。

 手術は、角膜表層切除術を実施しました。角膜の黒色部を切除
 していきますが、やはり角膜全層にわたっての切除となりまし
 た。角膜は穿孔状態となりましたので、下の写真のように球結
 膜フラップ手術を併用し角膜欠損部を覆い再建しています。
 最終目標は透明感のある角膜の再建と視力の維持です。


表層切除した後、球結膜フラップ術を施した。 手術後の所見
 角膜表層切除術+球結膜フラップ術を行ったところの写真です。








表層切除と球結膜フラップを施した その拡大写真 左はその拡大写真です。











手術後の所見 球結膜組織は角膜によく馴染んでいます。 手術後の所見 手術後の所見
 目薬、飲み薬、エリザベスカラーで経過をみていきます。
 この子の経過は順調です。球結膜組織は角膜によく馴染んでいま
 す。この段階でも一部の糸は取れているところもあります。
 





この先、ある段階で球結膜フラップの切除と抜糸を予定しています。その流れについては、現在経過観察中ですので、次のパートで紹介したいと思います。なお、この角膜分離症のシリーズの中では、最後のところで文献的考察も加えてみたいと思います(続く)。

          猫の角膜分離症 Feline Corneal Sequestration - 2012年03月09日
          猫の角膜分離症(Feline Corneal Sequestration)  - 2011年08月01日

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ejima_ac at 00:00 コメント( 0 )  この記事をクリップ!

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