ある日の東京ウエスト動物病院 Blog
Shiba-Glaucoma-Genetic Evaluation-Prevention - 2018年09月01日
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今回は、『柴犬 緑内障の遺伝子検査 緑内障予防』という内容を実際の事例で簡単に紹介したいと思います。
以前、柴犬[女の子(♀)避妊済み]の目の健康診断の事例がありまし
た。若い1歳の柴でとても元気で、愛嬌に富んだ子です(雑誌の
取材を受けるほどです)。飼主様はとても可愛がっていらっしゃ
います。その気持ち よくわかります。
全身健康的で、目も同じく健康です。ペット保険には加入されて
おられます。今回の診察は健康診断ということで、保険の対象
にはなりませんが、飼主様も了承済みです。
目のスクリーニング検査(外観、痛みや視力の有無のほか、威嚇瞬き反応、対光やダゾー反射など)、眼圧検査、眼底検査(下の写真)を実施。
いずれも特に問題となる所見はありませんでした。
今後も定期的な目の健康診断は受けていただくようお伝えしてあ
ります。
『現在は、柴犬の緑内障遺伝子検査ができるようになっていますので、一度受けられては・・・』 とお勧めしておりました。柴犬の緑内障罹患率はほかの品種と較べるとダントツに高いのです。
私たちも日頃の臨床で実感しています。
先日、飼主の方から遺伝子検査の結果のコピーをいただきました(下図)。
結果は最も高い確率(レベル4)で発症する可能性ありの陽性所見でした。
現在3歳になるこの子は目薬による緑内障予防を始めていただいています。今後も飼主様と一緒に経過観察に取り組んでいくことになっております。今までの経験でも片眼が急性緑内障になった場合、もう片方の目も同じタイプの緑内障になる確率は非常に高いのです。そのような場合、目薬だけでなく、飲み薬(全身投与)も併用するのですが、それでも発症してくる怖さを経験的に学んでいます。緑内障は完治が難しい病気です。
● 急性緑内障は前ぶれなく突然発症し、激痛と失明状態に陥ります。
● 発症から1〜3日以内に眼科系の救急療法を受けていただく必要があります。
● 症状が結膜炎と似たところがあり、目薬で1週間ほど様子を見ましょうとなると、
視力の回復はできなくなります。
ペットの病気の遺伝子検査について興味のある方は、VEQTA(ベクタ) をご参照ください。