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お産歴のない高齢でなりやすい子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう、Pyometra) - 2011年10月08日

ご訪問いただきありがとうございます。

今回は、ここのところ立て続けに多い子宮の病気の紹介です。
子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう、Pyometra パイオメトラ)という子宮の中に膿が貯まる病気です。

お産歴のない高齢の子に多い特徴があります。
下のレントゲン写真は、この病気の犬のお腹を横から撮影したものです。
犬の子宮蓄膿(ちくのう)症 ミニチュアダックス
9歳

4.39Kg






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mnb yk

上の点線の部分が大きくなった子宮を示しています。体重4.39Kgのこの子の子宮のサイズは普通なら鉛筆1〜2本位の直径なんですが、中に膿が貯まったため、大きなキュウリ大のサイズになっていました。
手術時の実際の写真はリアルですから、ここに出すのは控えます。
手術では、卵巣と子宮を摘出しました。この摘出に当たってはソノサージXを使い、糸を使わない術式を採用しています。縫合糸反応を回避できます。

頚(くび)に当たる子宮頚管(しきゅうけいかん)のところが閉まるタイプとそうでないタイプがあります。
両タイプ共、菌体内毒素(エンドトキシン)が犬の体中を巡ることになりますが、膿が出れない前者の方が深刻です。菌体内毒素(エンドトキシン)は各臓器に悪影響を与え、ひどいときはエンドトキシンショックを引き起こします。
そうなると、手術(卵巣と子宮の摘出)はうまくいっても1週間以内に死亡してしまうリスクも出てきます。要注意です。

後者のタイプでは、子宮の中の膿は少しずつですが、外へ出ますので、その分リスクは少し下がります。でも、だからといって安心という訳ではありません。早めの診断と治療対策が必要です。

この病気での飼主様の最初の訴えは、食欲がない、ハーハーと息苦しそう、吐く、おしっこに血が混じる、おりものがある、陰部をよく舐めるなどなどです。
ちなみにここに紹介したこの子は現在元気に日常の生活を送っています。

ejima_ac at 06:00 コメント( 0 )  この記事をクリップ!

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