ある日の東京ウエスト動物病院 Blog
難治性外耳炎からの解放 - 自己組織の移植手術による外耳道の再建 - 2009年11月08日
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下の写真は、今年(2009年)1月のブログに掲載した自己(自家)移植 Auto-transplantation の1年4ヶ月目の所見です。
現在、この子の左耳は難治性外耳炎から解放されています。
外耳炎に悩まされるペットは案外多いものです。時に、慢性化し、効く薬もなくなり、最終手段として手術を選択せざるを得ないケースもあります。
慢性の難治性外耳炎のため、耳道は厚くなり閉鎖していました。治療をするための綿棒も入らず、中でますます悪くなる悪循環に陥っていました。本犬はとても痛痒い思いをしていて辛かったと思います。飼主様も同じ思いだったでしょう。
垂直耳道だけでなく、水平耳道まで化骨化し、耳元を触ると一塊の骨を思わせる硬い感触でした。内科的な治療ではもう限界で、外科的治療に踏み切ったのでした。その際、水平耳道の奥深くまで切除せざるを得ませんでしたので、耳道の組織が足らなくなり、そこに自身の口腔粘膜を自己移植し、耳道 - 移植した口腔粘膜 - 頬の皮膚 へとゆとりのあるつながりを作り、外耳道を形成しました。
移植した口腔粘膜もきれいに生着して、術後の経過は順調、1年4ヶ月後の所見としてご紹介できるものでした。以前の慢性外耳炎で悩まされていたことがまるで嘘のようです。
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